スピルチュアルな場所ル・ピュイ・アンヴレ6月16日 4日目の観光 超長編です

(今回は長いですよ)

常に頭のどこかに「いつか行ってみたい場所」としてあったこの街。
高台にあるマリア様像の写真に圧倒されて、どんなにスピリチュアル度が高いところなんだろうと夢に見ていました。

花らぼさんとのお仕事も昨日で終わり、今日はしばしのお別れで駅までお見送りです。
私?
一緒に帰らないのかって?(笑)
いつかは来てみたかった所に来ているんです。
観光せずには帰れません!

今日は一人残って観光の日です。
しかし雲行きがどうも怪しい。
観光するなという事か?
でも駅の高台からすでにマリア様像が見えています。
まるで、来て来て~と呼ばれているようです。

ル・ピュイは高台にある聖母マリア像、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼地、そして大聖堂にある黒マリアで有名なところです。

街全体を見ようと歩き始めましたが、教会自体たくさんあって、初めになんて事のない教会まで見学したので、最終的には時間が足りなくなってしまいました。
しかも行きの電車でたまたま一緒になった親切なフランス人女性が、始めにHotel Dieu(オテル・デュー)へ行ったほうが良いというので、言うとおりに行きました。
入るとそこは美術館。
今の展示は聖母マリアがテーマだから、隅々まで見てしまいここでかなりの時間を過ごしてしまいました。

あとは、写真でご説明。

 この様な電車でサン・ティエンヌまで行きます。
カラフルですね。
今回もお世話になりました!
ありがとうございました。

 お見送りした後、駅を背に観光開始です。
と、駅は高台にあるのでマリア様像が見えるのでは?
少し歩くと、やはり見えました。

 駅からの眺め。
ちょっと曇っていますね・・・。
 なんでもない教会も入ってみました。
なんでもないと言っても 元々は14世紀の教会で、19世紀に建て直されたきれいな教会でした。
中に入ると19世紀の迫力あるステンドグラスが残っていたり、司教さんの銅像やら祭壇やら見ていたら結構時間が経ってしまいました。

 19世紀のステンドグラス。

 教会を離れて早速聖母マリア像(ノートルダム・ド・フランス)のいる大聖堂ノートルダム・デュ・ピュイへ向かいます。
途中、街のあちらこちらで見かける事ができるマリア像。
それだけ大きいという事ですね。

 旧市街の建物は17世紀の建物が多いようです。
お花も飾ってあったりとかわいい作り。


 そしてこの街は、サン・ティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼の出発地点でもあります。
上の写真には巡礼路が記載されています。
フランスの出発地点はいくつかありますが、ルピュイの他はアルル、ヴェズレー、そして知りませんでしたがパリだそうです。

そしてサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼地にはホタテのマークを良く見かけます。
サン・ティアゴ=聖ティアゴは、聖ヤコブのことなんだそうです。
聖ヤコブって誰?となりますが、新約聖書に登場する人物でキリストの使徒の一人です。
44年に殉職した後、9世紀に奇跡的にヤコブの遺体がサンティアゴ・デ・コンポステーラで見つかりました。
それからサンティアゴデコンポステラは聖地として巡礼者の訪れる街となった訳です。
巡礼路は整備され、巡礼者のお世話をする為の修道院が配置されたのだそうです。
ヤコブさんすごい力ですね。
ヤコブのシンボルはホタテ貝で、このホタテマークを巡礼地ではあちらこちらで目にします。
巡礼者はホタテ貝を首から下げて、修道院に泊る際に信者の目印として見せていたのだそうです。
フランス語でサンティアゴはサン・ジャック。
ホタテ貝のことをコキーユ・サン・ジャックと言います。
なるほど、聖ヤコブの貝だったのですね!
謎が解けました。

 かわいい広場がありました。
ここから更に旧市街らしくなっていきます。

行きの電車で一緒になったフランス人女性がお勧めしてくれたレストラン。
2日目の日、BIOのフラワーエッセンスの社長さんにご招待していただき、食べる事ができました。
地元のレンズ豆やうなぎのテリーヌなど個性的でおいしいものが食べられます。
レストランTrounayre

 レースや刺繍でも有名な街です。

 あちらこちらに刺繍を売っているお店がありました。

 ふと気がつくと黒マリア。
膝にイエス・キリストを抱いているのが特徴です。

 そして、ハーブのヴェルヴェンヌでも有名です。
このハーブ・・・リキュールや飴やお茶やらいろんな商品があるのですが・・・
お土産ってこんなものです。(苦笑)

 中世の建物を通り抜けて行きます。

 ホタテマークの看板



 外でレースを編んでいる女性がいました。
刺繍の学校も見かけたので、どこで刺繍を習ったのか聞いてみると、「おばあちゃんから教わったのよ」との事。
この街では自然な事なんですね。
ある程度の年齢の方は刺繍できる方が多いのでしょうか。

そもそも人寄せに店先で刺繍をしているのかと思いましたが、なんでも電気の無い時代は家の中より外の方が明るかったから外で編んでいたのだそうです。
昔ベルギーでも外で刺繍しているおばあさんを見た事があります。
今は人寄せなんでしょうけれど、でもいい雰囲気です。
民族衣装なんか着て刺繍を編んでいて欲しいくらいでしたけど。


 ここを曲がると大聖堂が・・・

 見えました~!

 日本の寺院と同じく、フランスも礼拝堂とか教会とかは高いところにあるんです。
階段もたくさん。

 かわいい、籠・・・

 この彫刻は17世紀のもののようです。

 ジャーンっ。
ちょっと暗いですね・・・汗


ジャーーンっ。
いきなり聖堂の中です。
と言うのもとうとう雨が降ってきてしまいました・・・(涙)
聖堂内の正面に見えているのは、そうです、あの黒マリア像です!
なんだか光っていますね。

黒マリア、とても楽しみにしていたのですが、あまりスピリチュアルなものを感じません。

あとで調べるとやはり!
元々の黒マリア像は焼けてしまったそうで、今祀ってあるのは17世紀のもの。
それでも相当古いんですけどね。
そして1844年にローマ法王の名によって冠が授けられたそうです。
それでは、黒マリアと膝に抱かれたイエス・キリストの像をご覧ください。



おお~っ。
17世紀のものとは言え、やはり近くで見ると不気味ですね。
しかも着せてあるパステルイエローのマントがやけにかわいい花柄で・・・黒マリアの不気味さにミスマッチです。(笑)
赤ちゃんのイエスも目が据わっているように見えますが・・・。

 正面の祭壇に向かって左側に小さなチャペルがあります。
扉を開けて入ります。
そしてその奥にも黒マリア・・・

 今まで見てきた聖母マリア様像とは一味違います。

 アジアっぽいと言うか・・・
なんと言うか・・・

黒マリアがナゼ黒いのか、理由ははっきりしないようです。
木像が薄汚れて黒くなってしまったのか、18世紀以降に黒い塗料を塗られたのか?
それともロマ人の信仰するマリアなので、黒いのか?
マリアはブドウ畑で仕事して色黒に日焼けしたのか?
いろいろな説があるようです。

が、15世紀より前にはマリアが黒かったという文献は何も残っていないという事もあるのだそうです。
なんだかホッとします。
黒くなかったんですね。


 19世紀に発見されたチャペル内の15世紀のフレスコ画

 パイプオルガンも迫力あります。

 この銅像はヴァノーの作品だそうです。
ヴァノーと言えば、パリに住んでいた頃おいしいパンを買って帰るときに使っていた駅がヴァノーという駅で、駅を降りると地上に落書きなんかされたかわいそうなヴァノー作の銅像がありましたっけ。

 聖堂内の絵画のひとつ。
黒マリアが献上される場面が描かれています。

 まだ雨が降っています。
丁度良いとばかりにオテル・デューへ。

途中12世紀の黒マリア像(12世紀だから黒ずんでしまったマリアなのでしょうか)が展示してあって、そこでは何か感じました。
スピリチュアルななにか・・・

美術館内で写真を撮ってよいと気がついたのは最後の最後でした。
なので、12世紀の黒マリアの写真は残念ながらありません。

 でも最後の最後に気がついてから、戻って撮った写真が、ジョルジュ・ド・ラトゥールの絵画。
キリストが誕生した場面です。

パリのソルボンヌ大学文明講座で中世絵画の講義を取っていましたが、ジョルジュ・ド・ラトゥールについても勉強しました。
スライドを見ながら、ラトゥールは真っ暗な中に少しの光だけで情景を表現するのがうまいのだと教わりました。
光の使い方がやはり素晴らしいなと思います。
ルーブル美術館以外に本物が見られて感激。


 これは忘れました。
作家がフランス人でないと覚えられません。

 そしてランチはHotel Dieu内のカフェへ。
本当はお天気がよければテラスで気持ちよく食べられたのでしょうが。
でも味は普通においしかったです。
レンズ豆の煮込みはソーセージ入りで、8ユーロ。

 カフェ~と大聖堂の対比が面白いです。

 重々しく複雑な作り。
壮麗です。



 ここでもまた階段を上がっていきます。

 穴があいている・・・

 大砲が・・・
実はこのノートルダム・ド・フランスはロシアとの戦争、クリメ戦争の際に使われた大砲から作られたのだそうです。

 マリア像の中に入れるんですよ。

 Merci メルシー

 中はこんなです。
螺旋階段を上がっていきます。
マリア様像の体内にいるなんて、不思議な体験・・・!
鎌倉の大仏より感動的です!

 あの穴はこの窓だったんですね。


 窓からの眺め。

 窓から顔を出すと、ひえぇ~結構高い。

 遠くには高台のてっぺんに教会のあるサン・ミッシェル、そして更に奥にはまた高台にあるポリニャック城までが見えます。
高台がたくさんあって、不思議な地形です。
聖地らしスピリチュアルな地形だと思いました。


 この聖母マリア像、赤ちゃんのイエスを自分の右側に抱いています。
本来ならマリアの心臓がある左側に抱かれるはずだったらしいのです。

そして、うわさではこの間違いに気がついた彫刻家は、自殺してしまったとか・・・

 気の毒に・・・


1日満喫、と言う事で回路の中も見学しました。
スペインのアンダルシア地方で見たモスクに似ています。
黒と白の石のコントラストと庭の造りがそう思わせます。、
でも彫刻の細かなギリシャ柱を見ると、やはりキリスト教なんですね。


 マリア像を後にして、ふと振り返るとまたあちらこちらからマリア像が見えます。

 ホタテの看板

 途中に素晴らしくきれいな薔薇の花たちを見つけました。

 壁の色とうすいピンクがとてもマッチしてきれいです。


結局サン・ミッシェルまで行く時間はありませんでしたが、既に盛りだくさんなルピュイでした。

田舎で心と体がきれいに洗われて、街では教養が身についた気がします。
(自分が思っているだけか?)

ルピュイに行ったのは6月中旬、レポート書き始めたのは7月、そして今はすでに8月・・・。
いつも毎日更新しているブロガーの人ってすごいな、と思います。
ましてやツイッターなど。
どんなに暇でも毎日は書けません。
どなたかがお気に入りブログとして紹介してくださっていたのですが、更新がマメではないブログとして紹介されていたのを見た事があります。
悪気は無いのは分かっていますよ。(笑)
でも、その通りです!(きっぱり)

そして、たまに戻ってきてくださる方々に感謝いたします。(笑)




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