フランス人観察 近所のおばあちゃん

私たちがエクスからマルセイユへ引越しして来てすぐの事。
私たちは不動産屋さんか誰かをアパートの前で待っていたのだと思いますが、その時の事。

おかっぱのおばあちゃんが柵を伝いながら歩いてきて、私と相方の事をみています。
おばあちゃんは手にゴミの入ったスーパーの袋を持って、目の前の横断歩道にバーンと止めてある大きな車を見て、ブツブツ言っていました。
顔は悲しみと怒り同時に来たような表情でした。
私が「向かいのゴミ箱に捨てたいなら私が行ってきてあげます」と言うと、袋をブンブンまわして、「横断歩道なんかに駐車して!まったく」言いました。
ゴミは捨ててあげたものの、まだ私のほうを見て呼んでいます。
「すぐ転ぶからひとりで歩くのが怖いのよ、あそこの角まで一緒に行って頂戴」と言うので、「角までだったらいいですよ」と角まで行きました。

角まで行くと今度は「もう少し先まで」と更に一緒に歩き始めました。
「あんたは中国人かい?アジアの人はやさしいね~、それに比べてフランス人の若者と来たら!」と隣を歩いていた男性に文句言っています。
ばあちゃん、私中国人じゃないしこの男性は良い人そうよ、と思いましたがそこでしゃべっていると、相方がなかなか戻ってこない私を心配するだろうと思って、とりあえずニコニコしてました。
少し行くと近代的なアパートが見えてきて、「こんなところには住みたくないわいっ」とまた文句。
いいじゃないの住んでないんだから、と思いながら。
結局スーパーまで連れて行ったわけです。

このおばあちゃんは、大抵午後15時~16時の間に買い物にいくらしく、その時間帯に良く見かけます。
そしていつも「一緒にスーパーまで行ってくれる人」をアパートの門のところで待っているのです。
今まで2回か3回スーパーまで連れて行きましたが、おばあちゃんはいつも不満そうな顔をして文句たらたらなので、皆たじたじです。
普通にしていてくれればかわいいばあちゃんなのにな~、といつも思うのです。

変なおばあちゃんだけど、もう4代も前からマルセイユに住んでいるとの事。
よく見ると清潔で品もあってきっと良いところのお嬢さんだったのでしょう。

うちの近所はなぜかおばあちゃんが多いのですが、横断歩道を渡るときも「向こう側まで手を引いてくれないか」と普通に訪ねられます。
下町だからなのか、マルセイユだからなのか、人とはそういうものなんだ、 と思います。
それで助けない人はまずいません。
日本だったら、いえ、東京だったらどうでしょう。

東京生まれ東京育ちの私がふと思ったことです。

今年は、自分の時間も持ちたく、いろんな事も考えたく、つぶやき記事が増えると思います。
これがまず第一弾。
くだらない事も書いていきます。

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